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社団法人 日本植物防疫協会

 Dr.タカギの昆虫知識  −昆虫と天敵の動画−  

No.006
ツノロウムシ
(Ceroplastes ceriferus )
 ロウムシ類は果樹を始め多くの庭木にも寄生するので、一般の人々にも良く目に付いているはずである。しかし、あの白や紫の蝋の固まりの中にどんな虫が入っているかを想像できる人はあまりいないのではないだろうか。
 ロウムシは長い口吻を植物の組織(篩管)の中に差し込んで糖やアミノ酸のような栄養分を横取りしている。養分を体内に取り込んだ後に、不要成分と水は排泄孔から体外へ定期的に排泄される。これは一般にハニーデュー(甘露)と呼ばれるものである。良く知られているようにアブラムシとアリはこのような排泄物を仲立ちとして共生関係を結んでいるが、ある種のカイガラムシ類にもアリとこのような関係を持つものがある。ロウムシ類もこの仲間である。甘露の分泌は定期的に行われるのでロウムシのように全く動かない昆虫では生死の判別に利用される。そのほかに甘露の分泌はアリが触角でロウムシの排泄孔付近をたたくことによっても起きる。甘露分泌行動はすばやく行われるので良く見ていないと何が起きているのかわからない。
 まず排泄孔を閉じている三角板が開き、中から6本のイソギンチャクの触手のようなものが出てくる。この触手は傘のように開き中央の孔から甘露が球状に分泌される。アリはこれをすばやく口管に取る。アリがいない場合には急速に触手が閉じ、その力で甘露は落下する。



 

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