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社団法人 日本植物防疫協会

 Dr.タカギの昆虫知識  −昆虫と天敵の動画−  

No.004
ヒメハダニカブリケシハネカクシ
(Oligota kashmirica benefica)
  このハネカクシはミカンハダニの卵を好んで捕食するように見える。特に幼虫は卵を好み、1日に数十個を消費する。
  幼虫の捕食したダニの卵をSEM(走査電子顕微鏡)で観察すると卵の側面に大顎による一対の孔が見られる。ハネカクシの口器は咀嚼式ではなく、突起を備えた吸汁式である。実態顕微鏡でハネカクシの摂食状況を観察すると、ハネカクシは最初頭部を左右に動かし大顎で穿孔を試みている。大顎が孔に入ると卵の内容物の吸入が始まり、赤色の内容物が口器を通り胃に入る様子がよく分かる。その後、幼虫は突然胃の内容物をダニの卵の中に逆流させる。卵はこの液体で充満し、内容物を溶かして再び吸引が始まる。このような卵内面の胃液による洗浄行動を繰り返し、完全に中味を取り込み卵は透明になる。この間ひとつの卵を食べ終わるまで20〜30秒程度である。
  体外消化という摂食方法はサシガメ類、ベッコウバチ幼虫、ホタル幼虫等が餌の消化のために唾液などを利用することが知られているが、この虫のようにごく短時間で内容物を洗い流すような摂食方法は稀であり、体外消化には該当しないと思われる。




 

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