捕食性天敵の寄生蜂は悪者

 ハダニ類の天敵としてカブリダニやテントウムシ類と並んで捕食性タマバエがいます。この天敵はハダニの卵や幼虫から体液を吸汁します。成長した幼虫は蛹になる時葉裏の太い葉脈に沿って薄い繭を作ります。最近の調査でこのタマバエに蜂が寄生することがわかりました。8〜9月には高率の寄生が見られ、タマバエの天敵としての役割を阻害する重要な要因と考えられます。寄生蜂はオオモンクロバチ科に属するもので、雌は頭胸部が黒色ですが腹部は黄褐色です。雄は全身黒で0.8mm程度のごく小型のものでCeraphron sp.と同定されました。世界的にAphanogmus sp.がダニタマバエの寄生蜂として知られています。
 このように害虫の捕食性天敵に寄生して農業上は有害と考えられている寄生蜂はテントウムシに寄生するアシガルトビコバチ(Homalotylus flaminius)やカオジロトビコバチ(Anisotylus albifrons)、ヒラタアブ類に寄生するヒラタアブトビコバチ(Syrphophagus nigrocyaneus)とナガメヒラタアブトビコバチ(Syrphophagus splaeophoriae)などが見られます。2次寄生蜂のヒラタアブコガネコバチ(Pachyneuron formosum)も目立ちます。カゲロウの卵に寄生するのはタマゴクロバチ類(Telenomus sp.)、幼虫に寄生するクサカゲロウトビコバチ(Isodromus niger)やウワジマクサカゲロウトビコバチ(Isodromus uwajimensis)などが有名です。キムネタマキスイにもトビコバチの一種が寄生します。正確には蜂に寄生する蜂を2次(高次)寄生蜂といいます。従ってこれらの捕食虫の寄生蜂は1次寄生蜂ですが人間にとっては有害に見えます。。

クサカゲロウの卵に寄生するクロタマゴバチ アオムシサムライコマユバチに産卵するコガネコバチ
ダニタマバエの蛹から羽化したクロタマゴバチ ヒラタアブの蛹から羽化するヒラタアブトビコバチ