サビダニを待ち伏せする菌

 サビダニ類はいずれも0.5mm以下の最も微小なダニ類です。この仲間は植物の表面に生息し、表皮細胞を破って吸汁するのが特長です。したがって被害が大きくなってくると、穴をあけられて空になった表皮細胞は光を全反射するので、葉の表面が銀色に光って見えるようになります。その後水分の蒸発が多くなるためひび割れ、コルク層が形成されるので、一見かさぶたの様な状況になります。このような小さな虫なので、これを捕らえて餌にする天敵は少なく、ダニタマバエやカブリダニの一部に餌とするものがいます。
 ところがこのダニにも大敵がいます。それはヒルステラという寄生菌です。この菌は病死したダニを中心に放射状に18本の菌糸を伸ばし、その上に等間隔に分生胞子を作ります。分生胞子は球形で粘着力がありますから、近くを通りかかったダニの体表にうまく付着します。昆虫はこのような場合、脚を使うクリ−ニングという行動でうまく落としてしまいますが、サビダニは短足なのでこの行動は出来ません。

ミカンサビダニの成虫  ヒルステラ菌に寄生されたサビダニと菌糸 菌糸上に形成された分生胞子
(球形の部分)