ナシチビガ寄生蜂の役割と限界 

 ナシチビガはナシの生産にとってそれほど害のある昆虫ではありません。小型のハモグリガで、葉の上面を部分的に食害するだけです。発育の途中で作る仮繭や蛹を包む繭が白色で目立つため、防除の対象となることもあります。この虫は発生量の年次変動が大きいので、動態の解析が行われました藤家(1987)。その結果、変動要因の主なものは気象要因にあることが推測されました。
 天敵では蛹期に出現するコマユバチ類や、仮繭期に羽化するヒメコバチ類が密度変動に影響を持つことがわかってきました。コマユバチには二種類(サムライコマユバチとコシボソコマユバチ)あり、寄生率は50%以上になることもあります。ところがこれらの有益な蜂に寄生する2次寄生蜂のコガネコバチ(Trichomalopsis sp.=Eupteromalus)ヒメコバチ(Elachertus sp.)が存在するためにすぐに働きが弱められてしまうのです。

コシボソコマユバチ  二次寄生するコガネコバチ