ホソガサムライコマユバチの繭-卵の黄身のように


 サムライコマユバチ類は、通常寄主の体内から脱出すると吐糸によって繭を作り、その中で蛹化する。繭は表面が糸でゆるく覆われ、植物の表面に粘液で密着している。ホソガサムライコマユバチの場合には、ホソガ幼虫が作ったマインの中で写真のような繭を作る。この繭の非常に大きな特徴は吐糸が非常に細く、薄い繭を作り表面がなめらかで中の蛹が透けて見えることである。さらに、鶏の卵の黄身がカラザで白味の中に固定されているように、両端に弾力のある糸が付いていて空中に浮いている。このような空中に浮く蛹はヒメバチのホウネンタワラバチでも見られるが、その場合には片側だけに糸が付着して垂れ下がっている。繭が薄いのはキンモンホソガのマインの中に生息するため外敵から保護される事で納得できるが、空中に浮く蛹のメリットは高次寄生者からの逃避以外今のところ思いつかない不思議の一つである。

繭の中で安心して変身する 成虫が羽化した後の繭