アカマルカイガラムシの北進と天敵

 アカマルカイガラムシは柑橘類に対する世界的な大害虫である。日本では冬期の低温のためこのカイガラムシの2齢幼虫が越冬できない。従ってその分布は柑橘の栽培地帯でも無霜地帯のある長崎・鹿児島・宮崎・高知・徳島などの海岸に限られていた。しかし数年前から冬期間雪の見られるような海岸から離れた地域(三重県)にも発生が目立つようになってきた(河合省三氏同定)。温暖化による昆虫分布の変動の一例と見ることもできる。
 また古くからの生息地ではこの害虫に数種の寄生蜂の高率な寄生が見られていた。これらの寄生蜂はいずれも低温には弱く、カイガラムシの北進に伴って同時に北に分布を拡大できるかどうかは疑問であった。三重県における実態では、アカマルカイガラムシの急速な増殖が見られ、天敵からのエスケ−プを示唆するデ−タが得られている。

アカマルカイガラムシ アカマルカイガラムシ臀板 アカマルカイガラムシ寄生菌