ヤシオオオサゾウムシはこれで滅びる

 ヤシオオオサゾウムシはフェニックスの害虫として宮崎県などで知られている侵入害虫である。大型の美しいゾウムシなので、害が少なければ昆虫の多様化であると歓迎したいところである。侵入害虫が日本に定着して増殖するためには多くの難関がある。それは日本の気候や迎え撃つ天敵などである。ヤシオオオサゾウムシの特徴は成長の盛んな樹心部に連続して生活することで、このように同一の環境に住かを定めると、そこに天敵も住み着き増殖する。その結果昆虫の密度は低下する。
 害虫であるカキクダアザミウマは毎年同じ樹の樹皮下で越冬するため、ボ−ベリア菌の密度が上昇し、数年後には密度が極端に低下することが知られている。イネミズゾウムシも越冬場所を繰り返し使うため、天敵の種類は不明だが密度低下を招いている。
 それではヤシオオオサゾウムシの天敵はといえば、写真に示したように節間膜に寄生するダニの一種である。猛烈な勢いで増殖するこのダニは見るからに恐ろしい様相で、おそらく寄生菌などと協力して、ヤシオオオサゾウムシの増殖は遠からず止むことであろう。

ヤシオオオサゾウムシ成虫 寄生する無数のダニ ゾウムシの口吻