苔を餌にし、苔を着る蛾

 身体を保護するために他の植物を使う代表的な蛾はミノガである。蛹を作る時周りに繭を作るのが蛾類では一般的であるが、さらにその上に色々な苔を付着させる蛾がいる。コヤガの一群で、繭は地表面に近い苔の生えている幹の部分にグミの実のように柄のある特殊な形でぶら下がっている。繭を覆う苔は蛹化する場所に生えているものなので保護色となり、蛹を発見することはなかなか難しい。幼虫の時から体表に苔が付着しているシラホシコヤガの場合を除いて、繭を作る現場を見たことはないので、どのようにして表面に苔を付けるのかは不明である。当然天敵に対する防御機能もあると思われるが、意外に天敵の寄生率は高く、寄生バエ、ヒメバチが出現する。苔そのものを餌として利用する蛾の一群にコケガと呼ばれる種類が知られている。幼虫は毛の長い毛虫であるが成虫になるといずれも模様の美しい蛾となる。

松の根元に苔の間に作られた繭 繭の中の蛹 シラホシコヤガ成虫
シラホシコヤガ幼虫