コウモリガ Endoclita excrescens


 果樹や庭木の害虫としてなじみの深い名前であるが、この蛾の成虫を見かける機会は意外に少ない。幼虫は幹を取り囲むように虫糞でバリアを作り、その中で樹皮を環状に食い尽くす。枝がすっかり枯れてしまうことも稀ではない。蛾の雌成虫は飛行しながら産卵すると記録されている。 現場を確認することは大変な難事業である。たまたまUV誘殺灯で入手した雌成虫を容器に入れておいたところ、多数の産卵がみられた。得られた卵は黒色で直径0.4mmの真球状で、シャーレの中を転がる様子はおもしろい見物である。空を飛びながらこの卵を落下させれば、どんな場所でも地面にまで到達し、落ち葉や土粒の隙間に落ち着くだろう。天敵の攻撃から逃れることも十分考えられる。今後も産卵現場を見ることは出来ないだろうが、卵の形状を見ることで空中産卵の現実を納得することが出来た。コウモリガという名前は、この蛾の成虫が頑丈な前脚で枝や葉にぶら下がることに由来するのだと思われる。

コウモリガ雌成虫 コウモリガ卵 コウモリガ幼虫の被害