アリガタシマアザミウマの生物農薬としての特徴


 アリガタシマアザミウマは捕食性の大型アザミウマで沖縄の一部にのみ生息する。主要な餌はアザミウマであるがその他の小型昆虫も捕食する(アブラムシやカイガラムシ幼虫は好まない)。絶食が続くと植物の組織から吸汁するのが認められる。生息する葉に直接産卵するが、大型であるため傷となる場合があり、害虫としての側面も考えられる。探索範囲は広く、成虫の寿命も長いので生物農薬としては有力であろう。具体的な利点としては、作物の初期段階での放飼では害虫の発生量を気にしないで処理できる。大型で幼虫が毒々しい赤色などの点から発見しやすく、効果の確認に有力な手がかりを与える。葉の上ではアリとどちらが優勢なのか興味が持たれる。アリを追い払う行動があると、寄生蜂との関係などにも影響を与えることが考えられる。特徴的な行動としては、腹部を左右に動かしその力の伝達によって口器を動かし餌からの吸汁をする。懸念される欠点は温度に対する反応である。元々亜熱帯に生息するので15〜20度の温室で繁殖が可能かどうかというところである。生物農薬としては放飼虫の働きだけでよいのかもしれないが、真夏でなければ増殖できないのでは魅力が半減する。

餌となるコナカイガラムシ幼虫 アザミウマ成虫を捕食する成虫 腹部を左右に動かしながらの捕食