昆虫が蚊に刺される話

 昆虫の体表に外部寄生する動物としては、寄生蜂類のほかにタカラダニ、シラミダニ、ネジレバネ、セミヤドリガ等が知られている。ここで紹介するヌカカ(Ceratopogonidae=Heleidae)の類はチョウ目幼虫やトンボ成虫の体表から吸血することが知られている。体長1mm程度の小さなヌカカがヨモギエダシャクの幼虫に乗って吸血している姿はなかなか発見することが出来ない。しかし、吸血をはじめると長時間滞留し、寄生状態に入る。少しぐらい刺激を与えても動くことはない。吸血するのは雌だけといわれているが、確認できるほどの採集例はない。シャクトリムシの幼虫は平然としているので、寄生による寄主への影響はまったく無いように見える。このような関係を偏利共生と昔の教科書で見たように記憶している。いずれにせよ生物の相互関係は驚くことばかりである。

ヨモギエダシャク幼虫から吸血するヌカカ 意外に強力なヌカカ成虫の口器
ヨトウガ幼虫に寄生する複数のヌカカ 口器の先端