アザミウマ類の口器は特殊能力あり

チャノキイロアザミウマが他のアザミウマ類と異なる特徴は非常に小型(7-8mm)であり、口針が短く、10ミクロン以下であることにある。チャノキイロアザミウマは吸汁するために表皮細胞の表面に直径0.5mmの小孔を形成するが、この孔は表皮細胞に限られ、それ以下の細胞には達していない(写真1)。チャノキイロアザミウマの成虫・幼虫はすべて腹部が黄色く、葉緑素の存在が認められない。これに反してミナミキイロアザミウマやミカンキイロアザミウマの成虫・幼虫の腹部には常に緑色の餌が透視できる。従ってチャノキイロアザミウマの食物が表皮細胞の内容物だけであること、老化して表皮細胞の内容物が少ない成葉や果皮を避け、柔らかな組織増殖部を加害する習性があると思われる。走査電子顕微鏡で計測した結果、10頭の幼虫が3日間で1cm当たり53万個の穴をあけたことが判明した。他の種類のアザミウマ(Taeniothrips laricivorus)でも1頭が8時間で3万個の細胞を破壊したことが記録されている。このように食物が表皮細胞に限られるためにチャノキイロアザミウマは広い面積から食物を取ることが必要で、低密度にもかかわらず、大きな被害をもたらす。口針の長さが50ミクロンに達するミカンキイロアザミウマの長い口針とは大きな違いがある。

チャノキイロアザミウマが摂食する表皮細胞 チャノキイロアザミウマの口針挿入痕
ミカンキイロアザミウマ成虫 ミカンキイロアザミウマ口針