アザミウマ類の警報フェロモン

アザミウマ類・クダアザミウマ類では警報フェロモンの存在とその成分の同定がなされている。これらの警報フェロモンの実際の働きはどういうものであろうか。主として2令幼虫が分泌するとされる。飼育中のミカンキイロアザミウマについて2令幼虫の行動をビデオ撮影した。集団で摂食する幼虫は時々尾部を左右に振り、周辺の他個体を追い払うような動作をする。その際尾端に水滴状の分泌物が見えることがある。これがフェロモンであるとすればその役割は警報フェロモンとしては最も弱い働きで、テリトリーを確保するためのものであろうと思われた。従ってこの物質を人為的に散布してもミカンキイロアザミウマの行動や増殖に大きな影響を与えるのは難しいものと思われた。同じような例はより集団的な生活をするクロトンアザミウマで顕著に見られる。この虫の場合常時尾部を上向きに保ち、その先端に水滴状の物質を保持する。

ミカンキイロアザミウマ2令幼虫の集団