ナシマルカイガラムシから新しい寄生蜂

ナシマルカイガラはバラ科植物を中心として多くの寄主を持つ重要害虫である。シンクイムシ類の防除が有機リン剤などで丁寧に行われていた時代には併殺によって重大な被害を及ぼすことはなかった。現在フェロモンによる交信攪乱が広範囲に実用化され、潜在害虫が顕在化する例が報告されている。最も問題になるのはナシマルカイガラである。ナシマルカイガラには有力な天敵が存在しない。世界的には数多くの寄生蜂が記録され、最も有力とされるものはEncarcia pernisiosusとされ、導入の試みが数多く知られている。残念ながら日本では導入の試みは寡聞にして聞かれないEncarcia belreseの寄生は記録されたことがある。2004年5月青森県リンゴ試験場の木村技師から送付された寄生蜂を調査したところ最も寄生率の高い寄生蜂は日本未記録(世界的にも未記録の可能性が高い)のトビコバチであることがわかった。分類学的な調査は東浦氏に依頼した。その結果Thomsonisca属の新種であることが判明した。現在その分布、形態的な特性について検討中である。

ナシマルカイガラトビコバチの寄主探索 ナシマルカイガラトビコバチマミ−
ナシマルカイガラトビコバチ雄成虫 ナシマルカイガラトビコバチ雌成虫