コハリダニとケボソナガヒシダニの奇妙な関係

落葉果樹では、春先に花が咲き新しい葉が展開してくると一番先に現れるのがコハリダニです。同時にダニの卵を捕食するケボソナガヒシダニが現れる。樹皮の隙間などで越冬しているコハリダニは糸状菌や小昆虫の卵、花粉などを餌にすると考えられるので、春先から増殖が始められる。害虫のハダニは葉が成熟して栄養価が高まらないと増殖できない。このような関係を理解すればハダニの被害を防ぐにはこの二種のダニを葉に定着させることが重要だとわかる。葉に棲むコハリダニは葉裏の付け根に生息し、葉に付着する花粉や菌の胞子を餌にして増殖する。その卵をねらってケボソナガヒシダニが増殖する。このような相互関係が確立していれば移動侵入してくるハダニ類を撃退することは容易である。ところが新葉の展開時期には 薬剤散布が恒常的に行われるのでコハリダニとケボソナガヒシダニの生存が脅かされ、ハダニの定着が可能になる。収穫が終わり薬剤散布がなくなるとコハリダニの生息が可能となり、ハダニの卵で生息を続けてきたケボソナガヒシダニの餌として役に立ち、次世代の越冬につながる。コハリダニの生態については研究も少ないので不明な点が多い。 コハリダニを軽く見過ごすな!!

コハリダニ成虫 ケボソナガヒシダニ
コハリダニ(SEM) ケボソナガヒシダニ(越冬虫)