野菜畑に進出するツツミノガ Coleophoridae

 ツツミノガという名前の蛾の一群がいます。幼虫時代身体の周りに筒を作るのでミノムシと似ています。作物の害虫としてはキクツツミノガ、ピストルミノガの2種がよく知られています。林業害虫としてカラマツツツミノガも著名です。成虫の形態はミノガ類とはほとんど類似点はありません。開張1.5-2mmの微小な細長い蛾で、むしろキャベツなどを加害するコナガという害虫に似ています。微小な蛾の仲間としてはよく研究されている。奥 俊夫博士の総説はよい資料である。最近このツツミノガの一種がキャベツやゴボウなどの野菜を加害することがわかりました。いずれも幼虫は葉の裏に生息します。従って食痕はあまり目立たず、被害があるとはいえないでしょう。この蛾のもっとも不思議な点は非常に小型でありながら多くの種類で年一世代を堅持していることです。ハモグリガやコナガのように小型の蛾類は発育が早く、年5世代ー8世代繁殖を繰り返し、爆発的に増加しますが、天敵も多く、冬の気象要因にも弱いのです。ところがツツミノガの類は5−6月に羽化して8月には立派な成熟幼虫になっていますが、そのまま越冬に入ります。体を包むミノが強力なので天敵から守られ、気象要因にも強いためでしょうか
 ツツミノガを飼育して3種類の寄生蜂が得られた。ヒメバチ・コマユバチ・アシブトコバチであった。小型の蛾であるツツミノガではあるが寄生蜂のサイズは意外に大きかった。ハネマダラアシブトコバチはトラップで捕らえたことはあったが、寄主からの羽化によって得たのは始めてである。一次寄生が高次寄生かの確認は出来なかった。ただしヒメバチの雌の産卵管は上方に反り返っており、斜に構えたツツミノガ幼虫に産卵するには適した形態である。


キクツツミノガ幼虫 キクツツミノガ成虫 キクツツミノガ寄生蜂の脱出口
キクツツミノガコマユバチ ハネマダラアシブトコバチ キクツツミノガヒメバチ